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朝のリレー

新聞配達をしている時から大好きだった詩がある。

谷川俊太郎 作

『朝のリレー』

カムチャッカの若者が

きりんの夢を見ているとき

メキシコの娘は

朝もやの中でバスを待っている

ニューヨークの少女が

ほほえみながら寝がえりをうつとき

ローマの少年は

柱頭を染める朝陽にウインクする

この地球では

いつもどこかで朝がはじまっている



ぼくらは朝をリレーするのだ

経度から経度へと

そうしていわば交替で地球を守る

眠る前のひととき耳をすますと

どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる

それはあなたの送った朝を

誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

(谷川俊太郎詩集
「これが私の優しさです」集英社文庫より)


あたりがまだ真っ暗な深夜2時半から
新聞を配り始めて、

次第に薄明るく明けていく朝のにおいを
感じながら、とにかくメイトを走らせる。

誰かにバトンを渡してるわけでは
ないけれど、

朝起きたら新聞がちゃんとポストに
届いている事実が、

誰かの朝を演出してるようだと
少し思えた。

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お金がない!

新聞配達して働いてますけど…

お金がない!?

いやいや当時は経済観念が大幅に欠乏していたのです。

朝食にいつも千円以上お支払い。
お店から持たされる、パンとかおかずの入ったタッパーに
は目もくれず、毎朝、毎朝、せっせとコンビニに通って
いたわけなのです。

パンでしょ。
おにぎりでしょ。
ジュースでしょ。
たこ焼きでしょ。
プリンでしょ。

どーりで肉体労働を繰り返していても、
顔がパンパンなわけだ(汗)

というか、なんちゅう食生活を送っていたんだろう(汗)





富士山

東京に来て最初に嬉しかったこと。

それは、富士山が見れたことだった。

私の田舎にも山はたっくさんありすぎるほど
あったが、東京に出てくるまで富士山ほど
高い山は見たことがなかったから。
当たり前だけど。

私の配達区域は、
よく晴れた日の早朝や風の強い日には、
遠くにきれいな形の富士山が見えた。

配属されて、
店の奥の部屋に住み始めるようになって、
店の仕事とプライベートの境はまったくと
いっていいほどなかった。

他の人の不着でも、
たびたび起こされ、届けにかり出された。
まぁ、お互い様ってことで。

不着を届けるのはブルーだったけど、
早朝の富士山は見ごたえがあって、
そのたびに得した気分になれた。

♪富士は日本一の山~♪

今でも、
富士山を見ると、メイトに乗りながら
横目で眺めたあの頃を鮮明に思い出す。












新聞屋時代も、生きることや死ぬことについて
さんざん考えたもんだったが、

流産の可能性を宣告されてからの一週間は、
ずーと「命」について考えていた。

ネットで、「流産」をキーワードに検索を
繰り返し、色々なサイトを読みあさり、
考えがまとまるはずもない頭を、そっと手で
抑えて、目をつぶって考えていた。

自分の命に対しては、もうどうにでもなれ!って
何度も思ってきたのに、

自分の中に宿った命に対しては、
なんとしても育って、そこに留まってほしい、と
切に思った。

妊娠が発覚したときに、喜べなかった自分を悔いた。
罰が当たったのか。


1日、1日がやたらと長い。

仕事にも、生活にも、身が入らない。

我慢できなくなって、
仕事を休んで1週間後には1日早い、5日後に病院に行った。
夫も仕事を半休してくれて付き添ってくれた。

いよいよ婦人科での検診の時。
夫も一緒に入ろうとして看護婦さんにとめられた。
1人で結果と向き合わなければならない。


診察室に入ると、前回とは違うお医者さんだった。

内診を受ける前に、カルテに目をやりながら、

「流産の可能性があるって言われたんだね」と
やんわりと言われた。

外に聞こえてるんじゃないかってくらい、
胸の鼓動が激しくなった。
ヒザはガクガク震えて、うまく歩けない。

内診を受け、
カーテンの向こうでエコーの画面を確認している
お医者さんの気配を感じる。

思わず、
「どうですか!?」と大声で聞いてしまった。

サッと
閉じていたカーテンが開かれて、
エコーの画面が目に入った。

まあるい塊がごにょごにょ動いている…
まるでカエルのたまごのように見えた。

「ちゃんと育ってるようですね」

「ありがとうございます!」

自分の恥ずかしい格好も忘れて、
何度も何度も頭を下げた。








現実

東京は広かった。


田舎で『東京』というと、
神奈川や埼玉、千葉、茨城など東京近郊県でも
まるごと含めての意味合いが強い。

私の住むところも実際は神奈川だったが、
私にとっても地元の私のまわりの人にとっても
「あいつは東京へ出ていく」
なのだ。

東京=関東地方

そりゃ、広いわな。

勢いで好きな人を追いかけて東京に出てきた
私は、いきなり撃沈した。

彼のところまで電車を乗り継いで片道3時間という事実。

最初のうちは2人でちょうと中間点くらいの駅で会おうって
頑張ってた。

慣れない朝刊配達を必死でこなしてから、
夕刊のない日曜日は、せっせと電車で彼に会いに行っていた。

電車の中で熟睡してしまい、すごい勢いでコックリコックリ
頭が揺れている自分をどこか遠くで認識しながら、
それでも頑張って会いに行ってた。

でも、時がどんどん経つにつれて、
彼と私の意識の差は歴然となった。

私は、とにもかくにも眠いのだ。
朝刊配って、もうそれだけでクタクタで、
平日は死ぬ気で起きて大学に通ってるけど、
日曜日くらいは1秒でも多く寝ていたい…

会っても楽しめない。
会っても意識が朦朧としている…
眠い、眠い、眠い。

そのうち約束をしても、寝過ごしてしまうことも
しばしばしでかしてしまった。

ごめん、ごめん。
もう、だめだ。

涙が出てくる。
高校のときから涙腺は弱い方だったが、
新聞屋になってから泣いてばかりだ。

後悔の涙。
自分がコントロールできないことへの涙。

気持ちがすさんでいく。
なにかに蝕まれていくような感覚に襲われる。

自分で自分を強く叩く。

しっかりしろ!
しっかりしろ!

ずいぶん長い間、その闇からは抜け出すことができなかった。












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プロフィール

ぴょんきち

Author:ぴょんきち
未就学児2人を子育て中です。うっかりものの母ですが、自分も子供と一緒に成長していきたいな、としみじみ思う今日この頃です♪一度きりの人生、楽しまないとソンソンソン♪だな、と。

新聞奨学生をしながら葛藤していた大学時代の痛すぎる(笑)過去日記もひっそり公開中。

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